ヘンプクリートの耐火性について語るとき、熱を裏側に伝えない「断熱・遮熱性」が注目されがちですが、実は火災の熱を直接受ける「表面の燃焼特性」においても驚異的なパワーを発揮します!
具体的に言うと、「火炎が表面を燃え広がらない(伝播しない)」性質と、「有毒な煙や火の粉をほとんど出さない」性質の2つです。
最新の研究や世界基準(ASTM E84やAS 1530.4)の観点から、ヘンプクリートがいかに安全な素材であるかを3つのポイントに分けて分かりやすく解説します!
1. 米国の厳しい基準で最高評価「クラスA」を獲得!🏆
アメリカでは2024年に国際住宅コード(IRC)がアップデートされ、ヘンプクリートを断熱充填材として使用するルールが正式に付録(Appendix BL)として追加されました。ここでは、ASTM E84という標準試験をクリアすることが義務付けられています。
米国ヘンプ建築協会(USHBA)の仕様書によると、ヘンプクリートはこの試験で「火炎伝播指数 25以下」「発煙指数 25以下」という非常に厳しい基準を満たし、最高等級である「クラスA」の耐火評価を獲得することが求められており、実際にその基準を満たす性能を持っています,。
- 引用元:Appendix BL: Hemp-Lime (Hempcrete) Construction – 2024 International Residential Code (IRC)
- 内容:2024年版の国際住宅コードにヘンプクリートが正式採用された際の技術基準。ASTM E84への適合義務が明記されている。
2. 科学が証明する「着火の壁」:500kg/m3の真実
フランスの研究チームが行った「コーンカロリーメーター試験(50kW/m²の強い熱を照射する試験)」によって、ヘンプクリート表面の着火メカニズムが科学的に解明されました。
着火しない閾値(壁): 表面の燃焼をコントロールする最大の要因は「密度」です。なんと、密度が500 kg/m³を超える高密度のヘンプクリートは、どれだけ強い熱を受けても表面が着火しません!
炎が維持されない: では、500 kg/m³未満の軽いヘンプクリートはどうなるのでしょうか?実は着火することはあっても、炎は持続せず数十秒以内(最長でも60秒未満)で自然に消えてしまいます(フレームアウト),。
つまり、表面に炎が燃え広がることはなく、ゆっくりと炭化(焦げる)が進むだけなのです。
- 引用元: Fire Behaviour of Hemp – “Reaction to fire of hemp-concrete” (Costes et al. / France)
- 内容:コーンカロリーメーターを用いた燃焼特性試験。密度500kg/m3を閾値とする着火の有無や、火炎が持続しない(自己消火性)メカニズムを詳細に分析。
3. 避難の命綱!有毒な煙や「火の粉」が出ない安全性💨
火災が発生した際、人命に関わる一番の危険は「煙」です。避難安全性を左右する煙の発生量についても、ヘンプクリートは極めて優秀です。
発煙がほぼゼロ: 開放空間でも、煙を測る密閉環境(スモークチャンバー)の燃焼試験でも、ヘンプクリートからの発煙は「無視できるほど少ない」または「極めて低い」と結論付けられています,。
「火の粉」が落ちてこない: オーストラリアの火災評価(AS 1530.4)でも、煙が非常に少ないことに加え、プラスチック系断熱材でよく問題となる「燃焼して滴り落ちる粒子(火の粉)」が一切発生しないことが、高い防火保護性能として明記されています。
- ヘンプエコシステム社(Hemp Eco Systems)技術ハンドブック / 欧州標準試験 (EN規格)
- 内容:欧州規格 EN13501-1 における評価「Bs1d0」の根拠。
s1: 発煙が極めて少ない(Smoke production)d0: 燃焼時の滴下物(火の粉)が一切ない(Flaming droplets)
- 内容:欧州規格 EN13501-1 における評価「Bs1d0」の根拠。
- Ozhemp / Tradical Installation Manual (AS 1530.4 Fire Assessment)
- 内容:オーストラリアの耐火基準 AS 1530.4 に基づく評価。300mm厚で73分のFRL(Fire Resistance Level)を達成し、火災時の完全性が維持されることを証明。

